矯正装置にはさまざまなバリエーションがありますが、主に、「固定式の装置」と「取り外し式の装置」の2つに分かれます。
固定式の装置
ワイヤー(ブラケット)矯正
個々の歯に小さな四角い形をしたブラケット装置をつけて、ワイヤーを結んで歯を動かす力を伝えます。様々な不正咬合に対応出来る汎用性が高い装置です。

プラスチックブラケットと
ステンレス色のワイヤ-(基本の装置)

セラミックブラケットと
ホワイトワイヤー(目立ちにくい装置)
ブラケット矯正の特徴・メリット
- 幅広い不正咬合のタイプに対応できます。
- 使用できる補助装置の種類が多く、歯を動かせる範囲が広いです。
- 患者様に合わせてオーダ-メイドのワイヤ-でかみ合わせを仕上げます。
- 抜歯を必要とする矯正治療はワイヤ-矯正が適しています。
- 審美性を配慮し、前歯は目立ちにくい透明なクリアブラケット(プラスチックブラケット)を標準使用します。
- より審美性に優れたセラミックブラケットとホワイトワイヤー(別途)も選択可能です。
治療を行う上での注意事項
- 固定式の為、食事の時は不快感があり、歯みがきをていねいにする必要があります。
- 数日間歯が浮いたような痛みを感じることがあります。
- 取り外し式の装置と比較して、ブラケットとワイヤーが目立つ、不快感が生じる可能性があります。
一般的な矯正治療のリスクに関しては下記のリンクの記載事項をよくご確認ください。
治療例
Before
|
After
|
成人矯正 表側ワイヤー矯正
[20歳女性]
1 | 主訴 | 歯並びが悪いのと 歯が出ているのが気になる |
---|---|---|
2 | 診断名 | 叢生と上下顎前突 |
3 | 年齢 | 20歳 |
4 | 装置 | 表側ワイヤー矯正(クリアブラケット+ステンレス色ワイヤー) |
5 | 抜歯部位 | 永久歯を計4本) |
6 | 動的治療期間 | 2年10ヶ月(通院回数34回) |
7 | 治療費 | 1,015,000円 |
8 | リスク・副作用 | 歯が動く痛み・歯肉退縮 ・虫歯・歯肉炎 |
歯科矯正用アンカースクリュー
(補助装置)を用いた矯正治療
口元が出ているので、横顔をきれいにしたい、ひどい出っ歯を治したい、笑うと歯茎がたくさん見えるガミ-スマイルで悩んでいる、奥歯の後方移動や圧下で歯を抜く本数を減らしたいなど、今までかなり難しいとされていた移動もこの補助装置を使うことで実現可能になりました。
歯科矯正用アンカースクリューは直径1~2㎜、長さ6~8㎜の骨に埋め込む小さなネジです。ブラケット装置の補助装置として高校生以上の方に適応可能です。

歯科矯正用アンカースクリューの特徴
- 歯を安定して動かせるので、治療期間の短縮や、非抜歯、難症例の治療などにも幅広く対応できます。
- 体への負担が少なく、傷跡などが残る心配もありません。
- 局所麻酔の使用により、痛みや腫れもほとんどなく治療を行うことができます。
- 安全・シンプルに、より質の高い治療結果へと繋げることができます。
取り外し式の装置
マウスピース型矯正装置
(インビザライン)

透明なマウスピース型の装置を用いて治療を行います。一人一人の歯型をとり、オーダーメイドで装置をつくり、1週間から2週間ごとに自分で装置を変えていきます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)のメリット
- 外からつけていることも目立たないので、接客のお仕事や普段のお仕事中にも使用できます。
- 装置をつけている違和感も少なく、取り外しもできるのでお食事も普通にできます。
- 透明なプラスチック製のマウスピースなので、金属アレルギーの方にも安心です。
- 通院は約2か月毎で、通院回数を減らすことができます。
治療を行う上での注意事項
- 1日20時間使用をお願いします。使用時間が短いと治らないことがあります。
- 舌癖のある方はMFT(筋機能訓練法)を受ける必要があります。
- 歯の幅を狭くストリッピング(スライス)することがあります。
- 不正咬合のタイプによっては、おすすめしない場合があります。
一般的な矯正治療のリスクに関しては下記のリンクの記載事項をよくご確認ください。
外科的矯正治療

外科的矯正治療について
外科的矯正治療とは、歯を動かすだけでは、かみ合わせが治らない「顎変形症(がくへんけいしょう)」と診断された方が治療対象となります。費用は保険適応可能です。矯正治療で上下それぞれの顎に歯を並べ、外科手術で顎の形や位置を変えてかみ合わせを改善します。
保険適応可能な矯正治療は以下ご参照ください。
外科的矯正治療が必要なケース
- 下あごが前に出ている、しゃくれている(下顎前突)
- あごが横にずれている、顔が曲がっている(顔面非対称)
- 下あごが小さく、後ろに下がっている(下顎後退、上顎前突)
- 上下の歯がかみ合わない、すき間が空いている(開咬)
- 笑うと歯ぐきが目立つ
治療例
Before
|
After
|
外科矯正 表側ワイヤー矯正
[17歳女性]
1 | 主訴 | あごがしゃくれているのが 気になる |
---|---|---|
2 | 診断名 | 顎変形症(骨格性下顎前突症) |
3 | 年齢 | 17歳 |
4 | 装置 | ワイヤー矯正 (プラスチックブラケット+メタルブラケット+ステンレス色のワイヤー) |
5 | 抜歯部位 | |
6 | 動的治療期間 | 2年8ヶ月(通院回数32回) |
7 | 治療費 | 保険自己負担金(3割) 矯正治療総額 25万円程度 (外科手術・入院費用は 別途 25万円~)※) ※連携先にご確認下さい。 |
8 | リスク・副作用 | 歯が動く不快感・虫歯・歯肉炎・歯肉退縮・歯根露出・下顎に麻痺が残る |
外科矯正治療の流れについて
オレンジは当院で、青色は連携先口腔外科で行います。
-
1.初診カウンセリング(資料採り)[45分]
問診票のご記入・写真撮影・ご希望によりレントゲン撮影を行い歯並びのチェックをいたします。
-
-
2.初診カウンセリング(ご説明)[45分]
診断結果をご説明し、外科的矯正治療が必要な方に口腔外科をご紹介いたします。
-
-
3.口腔外科初診
連携先口腔外科でも外科的矯正治療が必要と診断されましたら、保険適応にて術前矯正治療が開始できるようになります。
-
-
4.術前矯正
ワイヤ-(ブラケット)矯正で手術に向けて歯並びを整えます。手術後のかみ合わせを想定して進めますので一時的に噛みにくくなる場合もあります。
-
-
5.手術
連携先口腔外科に入院して手術を受けていただきます(入院期間はおよそ10日~2週間)。詳しくは口腔外科で説明を受けてください。
-
-
6.術後矯正
手術の約1か月経過後、当院で矯正治療を再開します。かみ合わせの仕上げを行います。
-
-
7.保定
ワイヤ-矯正治療が終了したら、装置を外して取り外し式の保定装置に変えます。歯を動かしている間ゆるめた骨が固まるのを待ちます。また、口腔外科では手術の1年後を目安に骨を固定しているプレートを除去します。
小児矯正

骨格の成長が盛んで、永久歯に生え変わるという特徴ある時期に行う矯正治療です。
歯の生え変わりを目安に、乳歯がある時期の「Ⅰ期治療」と、永久歯が生えそろった後の「Ⅱ期治療」に分かれます。
「Ⅰ期治療」ではこの時期にしかできない顎を育てる治療を主に行います。「Ⅱ期治療」では大人の矯正治療と同じ装置を使用してかみ合わせを仕上げます。
Ⅰ期治療
乳歯列・混合歯列期3歳〜12歳頃
3歳〜8歳頃(予防矯正)
この時期は歯並びやかみ合わせに関する悪い癖を取り除いて不正咬合の予防を目的としています。治療に使う装置は取り外し式です。使用時間、使用方法を守って頂くためには保護者の方のご協力が必要です。
6歳〜12歳頃(Ⅰ期治療)
6歳から12歳くらいは乳歯から永久歯に生え変わる時期です。骨格の発育が旺盛な時期なので、この時期に治療をすると効果が高く、またこの時期にしかできない治療もあります。
例えば、顎が狭くて歯が並ぶスペ-スが足りない→顎を広げる、出っ歯、受け口、非対称→骨格のコントロ-ルをする等です。
また、将来的に歯が生えずに埋まったままになる埋伏歯が時々見られます。歯が生える可能性を高めるために7歳くらいまでに一度ご来院ください。
治療に使う装置は固定式の拡大装置やヘッドギア等、予防矯正の装置よりも治療効果の高い装置が選択できるようになります。床矯正装置、小児向けのマウスピース型矯正装置(インビザライン)など取り外し式が適応できる場合もあります。
Ⅱ期治療
永久歯列期13歳頃〜
永久歯が生えそろう13歳ごろから、かみ合わせを仕上げる本格的矯正治療が可能となります。よく噛めて口元のバランスのとれた、そして後戻りしにくい歯並びを目指して治療を行います。
「Ⅱ期=成人矯正」です。治療に使う装置は大人の矯正治療と同様に固定式、取り外し式の装置を診断結果とご要望をふまえてご提案させていただきます。
遺伝性の下顎前突(顎変形症・しゃくれ)は、身長の伸びとともに受け口が悪化します。このような場合、身長の伸びが止まる18歳頃まで待ちます。その後外科的矯正治療も含め、最適な治療方法をご提案します。